令和三年一月二十九日、摂社「大鳥美波比神社」改修工事に先立ち、大神様を仮殿へお遷し奉る仮遷座祭が齋行され九月十五日、修繕が整った元の美波比神社にお遷し奉る「正遷座祭」を御齋行申し上げました。

午後六時半、全ての門が閉じられ、境内が夕闇と静寂に包まれる中、報鼓とともに祭儀の幕が開ける。

神職が宮司以下祭員、奉仕者、責任役員、総代をはじめとする関係各位の供奉員を祓い清める。

宮司以下祭員が仮殿(本殿)前に到り、宮司一拝の後、祝詞を奏す。召立之儀に移り、各奉仕員は「オウ」と応え御神体を奉安する神輿周りの定位置に着き遷御の列を整えた。

宮司が仮殿(本殿)内に進み御奉遷の準備が整うと、笏拍子の合図で境内全ての照明が消灯、浄闇の中に庭燎のほのかな灯りのみが揺れる。

宮司が「御」を奉戴し神輿に奉安すると、出発の合図である笏拍子が打ち鳴らされ、静かにゆっくりと遷御の列が進む。

雅楽の音色、警蹕の声、諸員の足音のみが響く。

遷御の列が美波比神社に到ると、宮司は「御」を奉戴して昇階し、内陣に奉安。

大神様は数ヶ月ぶりに無事還御された。